ラッシュの時だけ電車のダイアが普通になりました。行きも帰りも急行が走るようになりました。住まいが横浜なもんで、都心まで各駅停車だけで行くのは疲れます。急行が再開して助かります。けど、寒い。節電のためでしょう、暖房が入ってません。足の下から深々と冷えてきます。
朝早く、節電で間引きされた照明の下、駅の構内を大きなマスクをして黙々と歩く。同じく節電で止められたエスカレーターの横の階段を足元を確かめるように、うなだれたような格好で、黙々と登ってく。まるで、自分が大地震の映画に出演するエキストラになったような気分です。自分はただ、震災の影響で節電を強いられた都会を行くサラリーマンを演じてるだけ。演技が終われば、また元のいつもの生活が待ってる。そんな錯覚に囚われます。
けど、もう「元のいつもの生活」はない。福島の原発の問題は、俺が生きてる間に解決するでしょうか。原子炉が無事廃炉できるまでには20年や30年はかかるそうじゃないですか。俺たちの子供の世代にとんでもないものを遺すことになりました。
