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僕の人生のログ、lifelogです

筑波の蕎麦屋、『ゐ田』さんは変わった店でした。

 昨日は久しぶりに広島から帰省したvengaさんとcozyさんとで筑波山の周辺を走ってきました。その帰り、筑波山登山から戻ったsatopさん、オセロさんと合流。なんでも下山途中で、やたら並んでる蕎麦屋を見つけたので行ってみようということになりまして、行ってきました。

 手打ちそば ゐ田

 ちょっと変わったお店で、帰ってから食べログやら、Googleの口コミやらを検索してみると、みんな大絶賛みたいなんですが、ちょっと俺の感想は違うので、やっぱ書いておこうかなって思って書きます。大勢(たいせい)と反対の事を書くのはちょっと勇気がいるのだけれど、思ったことを書きたいと思います。って、ちょっと大袈裟

 そこの店は、車がすれ違えないほど細くて、しかも急な坂を登ったところにあります。きっとそのお店のお客さんの車なんでしょう、向かう途中に何台も車が下りてきます。その度に車を脇に寄せ、はたまた、すれ違えるところで待って対向車をやり過ごします。きっと近所の人にとってはえらい迷惑だろうと思いました。

 

 俺たちが着いた頃は、16時頃だったでしょうか。既に並んでいる人はいませんでした。随分古い造りのように見えます。上の写真は玄関です。この暖簾を見たとき、ちょっと嫌な予感。こんな変てこな暖簾初めて見ました。コの字を横に倒したような暖簾。正直カッチョ悪い暖簾だと思いました。言ってみれば、暖簾はそのお店の顔といいますか、最初に目にする名刺みたいなもので、それがこんなだと、やっぱ期待を持てというのには無理があるように思いました。中に入ると土間。どこかの古民家を移築した建物のようです。これだけの物をこんな辺鄙な場所に立てるのには相当費用がかかったはず。相当資金力のある人だなと思いました。

 そして、注文。俺ともう一人が鴨汁そば。他の三人は鴨南蛮を注文しました。

 待てども、待てどもなかなか出てこない。お茶も水もおしぼりも。っと思ったら、やっと出てきました。お抹茶とお菓子。

 これは、つまり、お客がはいってからいちいちお茶を点(た)てたと言う事なのか。

 それからさらに待ちます。入店してから30分以上たったでしょうか。久しぶりにみんな集まったので、積もる話もたくさんあったので、退屈はしませんでしたが、かなり待たされた感はありました。

 そして、出てきた鴨汁そばがこれです。

 超太麺。鴨を自分で焼くという初めてのスタイル。小指の爪ほどの薬味。つゆの量はウィスキーでいえばジガーくらい。ジガーって45cc。もちろん、正確に測ったわけじゃなくって、感覚としてそんな程度って感じたと言う事です。

 ここで食通の人ならずとも思い浮かぶ疑問があります。鴨はだしが命で肉自体にはそんなに味はありません。フランス料理なんかではよくオレンジソースで味をつけちゃったりしますもんね。このスタイルだと鴨のだしをまるまる味わえないことになります。この疑問は後ほど解けるわけですが、この時は取り敢えず焼いて汁の中に肉をつけて食べてみました。正直、七味でも降って食べたいと思いました。続いて蕎麦ですが、見てわかるようにすごく太い。これだけ太いと茹でるのに相当時間がかかると思われます。手打ち蕎麦屋さんは普通、茹で時間が短いということを自慢します。「うちの蕎麦は一分で茹だる」とか「30秒で茹だる」なんていう極端な人もいます。それは、茹で時間が短ければそれだけ蕎麦の風味を損なうことがないからです。おそらく長時間茹でたであろうこの超太麺。やっぱり、蕎麦の風味はほとんどしませんでした。食べログにはじっくり噛むと甘味が出るとか書いていた人もありましたが、そんなの知らなかったからじっくり噛んで食べることはしませんでした。先に聞いてたら、もっとじっくり口の中でもぐもぐできたのに、残念です。

 食べ終わって、蕎麦湯をもらうと、これがもう、ネトネト食ベログでは濃厚と表現している人が多かったですね。おそらく、長い時間そばを茹でるからあんな感じにネトネトになるんでしょう。お蕎麦の美味しい風味がたくさんしみ出した美味しい蕎麦湯でした。

 さて、だいたい皆食べ終わったころ、土間の客席から、なんだか子供を叱りつけるような甲高い声がします。「鴨を焼いてる間に蕎麦食べちゃダメだぁ」「つゆを全部使っちゃダメだぁ」。

 どうやら、店の主人が食べてるお客の横に立って、あれこれ食べ方の指導をしてるようです。あとで食べログを見てわかりましたが、この光景がこの店の名物らしいです。俺的には、そんな食べ方があるんだったら最初からすぐにわかるように書いとけよって思っちゃうんですが、そんな風に思う俺みたいなやつは珍しいのかな

 ちょっと断片的にしか聞いてないんですが、その主人の説明によると、鴨を焼いて、その焼いた後の鉄鍋の上にそばを投入。そばに鴨の汁を吸わせながら焼くんだそうです。そしてそこに七味を振って食べる。主人は「きんぴらごぼうになる」と表現していました。横に立たれてあれこれ指導されてる客は、嫌な顔一つせず、むしろ「お蕎麦のフルコースのようです」と感激しているようでした。

 これで2,300円。俺の感想を一言でいうと、あれは蕎麦じゃないね。蕎麦粉を使った蕎麦のような形状をしてるけれども、俺の知ってる蕎麦じゃない。そう思いました。もちろん、俺の知ってる蕎麦じゃないとダメって言ってるわけじゃなくて、いろんなのがあるんだなと勉強になりました。あと、他の三人が食べていた鴨南蛮は見た目普通で、そんな決まった食べ方も無いようでした。

 試しに、行ってみてください