 | あの人と和解する―仲直りの心理学井上 孝代集英社このアイテムの詳細を見る |
これはもうだいぶ前に買った本なんだけど、やっと読みました。
こんな本を買ったってことは、つまり和解したい人がいるってことだよね。諍い（いさかい）を起こしている人がいるっていうことだ。
仲直りの仕方のハウツー本かと思ったが、そうではなかった。
平和学者ガルトゥング氏が提唱する和解のための理論（トランセンド法）についての本であった。普通、ＡとＢが諍いを起こすと、落とし所としてＡとＢの間に解決点を探す。それがＡの方により近ければ、Ａの勝ち。Ｂの方に近ければＢの勝ちである。しかし、トランセンド法はＡでもＢでもない、新たなＣという解決点を探すというものだそうである。
ＡとＢの間で解決すれば、ＡにもＢにも自分が妥協したという不満が残る。そこで、ＡもＢも満足するような解決点Ｃを探すのである。
誰か仲直りしたい人がいて、少しでも興味のある御仁がいれば、是非読んでいただきたいと思う。良書である（きっぱり）。
ただ、解決点Ｃを探すためには、やはりＡとＢがじっくり、心の底から話し合わなければいけないわけで、まず、仲直りをしたいという気持ちがＡにもＢにも必要になってくるわけだ。これが結構難しいかもしれないな。現実にはね。
